令和3年4月、当医療センター22番目の診療科として「歯科口腔外科」が開設しました。現在は、歯科医師1名、歯科衛生士2名の体制で日々の診療を行っており、京都府立医科大学附属病院歯科や地域の様々な医療機関と連携を取りながら、より高度で安心・安全な医療を提供できるよう努めています。
皆さんの中には「周術期口腔機能管理」という言葉を耳にされたことのある方も多いのではないでしょうか。一般に周術期(しゅうじゅつき)とは、入院、麻酔・手術、術後回復、退院・社会復帰という一連の治療期間を指しますが、実際にはがんの化学療法や放射線治療など手術以外の治療も含みます。近年、全身麻酔の手術を受ける前から口腔ケアや歯科治療(感染源の抜歯、う蝕処置、義歯調整など)を徹底することで誤嚥性肺炎や発熱・創部感染などの術後合併症、気管挿管時の歯のトラブルを予防できることが明らかにされています。我々は、当医療センターで行われる全身麻酔手術の症例すべてに介入することを目指しています。
また、厚生労働省は、がん支持療法としての「歯科医師・歯科衛生士による専門的口腔ケア」の必要性を訴えています。口腔内を清潔に保つことは、がん治療に伴う口腔粘膜炎や口腔乾燥などのつらい症状を和らげることにつながり、さらに頭頸部がんの放射線治療に際して大きな問題となる「放射線性顎骨骨髄炎」の予防にも照射前後の計画的な口腔機能管理が効果的であることがわかっています。そのため、がん診療棟やリニアックの運用が開始された当医療センターにおいても医科や他職種との切れ目ない(シームレス)連携体制を構築し、専門的口腔ケアに取り組んでいます。
外来診療は「紹介外来」を原則とし、開業歯科医院などではリスクの高い有病者の歯科治療や口腔外科疾患への対応を中心に行っています。外来診療室には、歯科用診療チェアー(2台)、移動式吸引装置(口腔外バキューム)、デジタルパノラマ・口内法エックス線画像システム、炭酸ガスレーザー、笑気吸入鎮静器、バキュームアダプター(マウスピースの作成装置)など幅広い治療に対応できるような機器・設備を取り揃えています。
超高齢化に伴う疾病構造の変化や国民のニーズの多様化により、歯科医療を取り巻く環境は日々変化しています。地域の皆さんに「信頼される全人的医療」を提供できるよう、日々精進して参ります。お困りのことがありましたらお気軽にご相談ください。
外来担当表
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | |
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担当医 | 小野 龍太郎 | 小野 龍太郎 | 小野 龍太郎 | 小野 龍太郎 |