リハビリテーション施設基準
- 心大血管疾患リハビリテーション料(Ⅰ)
- 脳血管疾患等リハビリテーション料(Ⅱ)
- 廃用症候群リハビリテーション料(Ⅱ)
- 運動器リハビリテーション料(Ⅰ)
リハビリテーション科スタッフ
- 理学療法士
- 8名
- 作業療法士
- 3名
- 言語聴覚士
- 1名(非常勤1名)
基本方針
発症あるいは手術後早期よりリハビリテーションを開始し、歩行能力及びADLを改善し早期退院を図る。
対象患者
- 整形外科(骨折後、人工関節術後、肩腱板断裂術後、脊椎・脊髄疾患術後など)
- 神経内科(脳梗塞、パーキンソン病、神経難病など)
- 循環器内科(心筋梗塞、心不全など)
- その他(外科手術や肺炎等後の廃用症候群など)
リハビリテーションとは?
リハビリテーションRehabilitationの語源は、Re(再び)、Habilis(適合、もとの状態に戻す)、tion(すること)からなり、「再び適合すること」という意味になります。古くは「更正」「名誉回復」「社会への帰還」などの「復権」という意味あいで使われていました。
我が国ではリハビリテーションとは「人間らしく生きる権利の回復」すなわち「全人間的復権」という訳語が最も適当といわれています。
すなわち、病院で機能訓練を行うことだけがリハビリテーションではないのです。
リハビリテーションとは障害を受けた者を、彼の成し得る最大の身体的・精神的・社会的・職業的・経済的な能力を有するまでに回復させることである」(米国リハビリテーション評議会/1942)、「リハビリテーションとは能力低下の場合に機能的能力が可能な限り最高の水準に達するように個人を訓練あるいは再訓練するため、医学的・社会的・職業的手段を併せ、かつ調整して用いること」(WHO/1968)と定義されています。いずれにしても、「障害を有する方を可能な限り人間として望ましい生活ができるように、あるいは尊厳を回復できるように支援すること」がリハビリテーションといえるでしょう。
リハビリテーションをその性格から大きく分類すると、急性期・回復期・維持期という分類や、医学的・社会的・教育的・職業的という考え方が一般的です。
リハビリテーション医療には、大きく分けて3相の考え方があります。
第1相、急性期リハビリテーション
脳卒中、骨折等を発病した直後は、投薬、手術、ギプス固定等と、安静を必要とする治療が行われます。この安静により生じる廃用性症候群(二次的障害)予防を、医学的管理に基づき早期より行う訓練を急性期リハビリテーションといいます。
廃用性症候群とは、安静に伴う筋力低下、関節拘縮、起立性低血圧、体力低下等をいいます。
第2相、回復期リハビリテーション
急性期を過ぎ疾病により失われた運動機能を、積極的に訓練を行い取り戻す時期を回復期リハビリテーションといいます。
期間は、医学的に発病後6ヶ月といわれています。
第3相、生活期リハビリテーション
回復期リハビリテーションが終了し、障害を残した患者さんに対して訓練を行い、残存運動機能維持に努める時期を維持期リハビリテーションといいます。
この残存運動機能を維持することにより、質の高い自立した生活をいつまでもおくれる様、保健、福祉と結び付き支援することも、維持期リハビリテーションに含まれます。
当院ではこの第1相、急性期リハビリテーションをおこなっています。
理学療法とは?
理学療法とは病気、けが、高齢、障害などによって運動機能が低下した状態にある人々に対し、運動機能の維持・改善を目的に運動、温熱、電気、水、光線などの物理的手段を用いて行われる治療法です。
理学療法では、
・運動療法
・物理療法
・基本動作練習
を行います。
運動療法
関節可動域・筋力・バランス 能力・痛みの改善(回復)などを通じて日常生活活動(起きる・座る・立つ・歩行など)など基本的な運動能力を高めます。
物理療法
温熱療法・水治療法・光線療法・電気療法などにより痛みや循環の改善をはかります。
作業療法とは?
『身体又は精神に障害のある者、またはそれが予測される者に対し、その主体的な生活の獲得を図るため、諸機能の回復、維持及び開発を促す作業活動を用いて、治療、指導及び援助を行うこと』です。
作業療法では
- 基本能力(運動機能・精神機能)
- 応用能力(食事やトイレなど、生活で行われる活動)
- 社会生活適応能力(地域活動への参加・就労就学の準備)
この能力を維持・改善します。
また、環境(人的環境・物理的環境)の調整、社会資源や諸制度の活用を促します。
ADL練習
日常生活を円滑に行うために必要な助言・指導・訓練などを行います。(Activity of Dairy Living=日常生活動作)
退院時指導など
家屋改造のアドバイス、車椅子・補助器具の調整、介護指導、etc
言語聴覚療法とは?
「話す」「聞く」「食べる」ことに関わる障害に対し、検査と評価を実施し、個々の状態に応じ訓練や指導を行います。また、その人らしい生活が送れるよう、社会復帰への支援などを行います。脳血管障害や頭部外傷などの後遺症によって、以下のような障害が生じることがあります。また、加齢による機能の低下によって生じることもあります。
- 失語症(相手の言葉が理解できない、なかなか言葉が出てこない、文字が理解できない、書けない)
- 高次脳機能障害(物事に集中できない、新しいことが覚えられない)
- 運動障害性構音障害(声が出にくい、呂律が回りにくい)
- 摂食嚥下障害(噛みにくい、飲み込みにくい)
当院では、主にこれらの障害に対しアプローチを行っています。
心臓リハビリテーションとは?
心臓リハビリテーションとは、循環器疾患をお持ちの患者さんに対して再発予防やQOL(生活の質)の改善を目的として、運動療法や栄養指導・服薬指導・禁煙習慣の見直しと改善を図り病気に対する正しい知識を身に付け、スムーズな社会復帰や再発および悪化を予防していく、包括的なリハビリテーションのことをいいます。