京都府立医科大学附属北部医療センター病院長 新年度のご挨拶
令和6年春、新型コロナ感染が漸く収束の様子を見せて、病院は落ち着きを取り戻しつつあります。皆様は如何お過ごしでしょうか。
さて、私、この度2期目の病院長を仰せつかりました。1期目の3年間はとにかくコロナ感染対策に忙殺される一方で病院の建て替えに向けて、基本構想を立ちあげる日々でした。そのような中、令和4年4月に当院は地域がん診療拠点病院に認証され、令和5年4月には総合医療・地域医療学を講座として設立することができ、四方哲教授を迎えることができました。また、同じ時期に入退院センターを発足させています。更にこの間、皆様から頂きました病院寄付金も使い、令和4年3月に医療機器である血管造影機器の更新と血管造影室の整備、令和6年3月にはCTの更新やそれに伴う部屋の整備、そして何より、令和5年6月院内病院にファミリーマートを誘致することができ、利用者の便宜を図るとともに職員の福利厚生に寄与することができました。
しかしながら、コロナ感染による4年間の自粛生活は大変深刻な影響をもたらしたと感じています。何より、マスクをしているというだけで人とのコミュニケーションがとりづらく、様々な行事が中止される中で心に大きな穴が開いてしまったと思われる方も多いのではないでしょうか。当院ではコロナからの出口戦略を少しづつ進めており、救急の出入り口を再開したことをはじめ、令和5年末には病院忘年会も開催いたしました。今後は発熱外来の縮小・廃止を行う予定です。マスクを外すことは当分できないと思いますが丹後特有の人の温かさが感じられるよう、積極的に笑顔で声をかけ手を尽くしてまいりたいと思います。
令和6年度、当院は京都府立医科大学の北部キャンパスとして社会人大学院をスタートさせました。地域に存在する様々な課題を研究テーマとして取り組む大学院であり、成果が期待されます。いずれ、医師以外の職種にも領域を広げて学生を求めてまいります。またドクターヘリが京都府に導入されるにあたってはこれまで以上に救急医療においての役割を果たしてまいります。少子高齢化、人口減少が進む丹後にあって、2024年度からは医師の働き方改革等もありますが、丹後医療圏の中核病院として理念であります「全人的医療」すなわち単に病気を診るだけでなくその患者の持つ、生活背景や環境にも配慮し、退院後も安心して元の丹後地域のコミュニティで安心して暮らしていけるよう医師、看護師のみならずコメディカルスタッフや事務も含めてすべての力で実現する医療を今後とも行ってまいります。
皆様、今後とも京都府立医科大学附属北部医療センターを何卒よろしくお願いいたします。
令和6年4月1日 落合登志哉