放射線科は一般撮影、CT、MRI、RI装置、血管撮影装置を備え、体の隅々をくまなく検査しています。
CT検査は、マルチディテクターを用いたMDCT装置により、詳細な空間情報とともに、短時間撮影を用いた臓器動態の画像化により、微少な癌や血管病変などの診断に有用です。
MRI検査は、3.0T(テスラ)超電導型MRI装置を用いて、脳脊髄や頭頸部、肝胆膵、泌尿器骨盤領域、骨関節、乳腺などに関して、CTとは異なる画像情報を提供します。
CTやMRIを用いた断層画像は今日の画像診断の中心であり、全身臓器の器質的疾患(腫瘍、炎症、外傷、血管性病変など)の診断に必要です。最近は臓器の形態のみならず機能評価も重視されています。
放射線科ではこれらの最新の検査機器を用い、検査目的にあった有意義な検査を安全に施行しており、さらに三次元画像も作成し、術前診断に貢献しています。画像診断医は迅速に診断レポートを作成することにより、診療レベルの向上に務めます。また、日々の症例の検討や各種の講義・カンファレンスを通じて、研修医の教育にも尽力致します。
コーンビームCT機能を備えたFPD(フラットパネルディテクター)型血管撮影装置においては種々の疾患に対する血管造影やインターベンショナルラジオロジー(IVR)治療を行っています。さらにCTガイド下の生検や膿瘍ドレナージなども施行しており、診断機器装置を使用して治療も行っています。
がん診療棟には、PET-CTと放射線治療が入っています。PET-CTは主にがんの検出に有用で、一度にほぼ全身を撮像できるので、悪性腫瘍の検出や進行度の診断に役立ちます。放射線治療は手術や化学療法と並んで、がんに対する三大治療法の一つとして広く使われており、低侵襲性の局所治療が可能です。
スタッフ紹介
診療内容
放射線単純撮影
ここではいわゆるレントゲン撮影を行います。
X線を利用した一般的な検査で胸や腹、骨などの撮影を行います。
低被ばく・高画質のFPDシステムを導入しており、きれいな画像がモニターで見ることができます。
撮影の際、ボタンやチャック、下着のワイヤーなど撮影の邪魔になるものは外していただきます。ご協力お願いします。
放射線造影撮影
放射線造影撮影ではバリウムやヨード系造影剤を使用してX線透視・撮影を行い単純撮影では見えにくい箇所を明確に描出します。消化管・脊髄・関節系・泌尿器科系・婦人科系などの検査や、気管支鏡・消化管内視鏡といった機器を併用した検査や治療を行っています。
CT検査
CT(Computed Tomography)は、X線を用いて、輪切りの画像は元より、さまざまな断面の画像を作ることができます。使用している装置は、高画質を低被ばくで検査することができ、心臓の冠動脈検査、脳血管、術前シミュレーションなど幅広い用途に使用できるオールラウンドな装置です。
撮影された画像は、ワークステーションと呼ばれる装置で、血管や骨などの3D画像を作成することができます。
RI(核医学)検査
微量の放射線を放出する薬(アイソトープ)を体に投与して臓器の機能を検査します。投与されたアイソトープの種類によって目的とする臓器に取り込まれたり、取り込まれなかったりします。これを専用のガンマカメラで撮影し、得られた画像や数値から病変の状態を診断します。検査時間は検査の種類によって異なりますが、約30分から1時間程度です。薬を投与してからすぐ撮像する検査や数時間後あるいは数日後に撮像する検査があります。また、食事制限が必要となる検査もあります。
MRI(核磁気共鳴画像)検査
MRIは放射線を使用せず、強い磁場と電波を利用して体の臓器や血管を撮影する検査です。使用装置は磁場の強さが3テスラとなっており、普及している1.5テスラの装置に比べ、より短時間で高い解像度の画像を撮影することが可能です。検査時間は撮影部位にもよりますが20分から40分程度かかります。なお強い磁石を使用しているため、体内金属装着機器の種類によっては吸着、発熱、機器の誤作動などの危険性があり検査が行えないこともあります。
血管造影検査
血管造影検査はカテーテルを血管に挿入し、ヨード造影剤を用いて血管を撮影します。
定期、緊急を問わず血管系、非血管系のあらゆるIVR(インターベンショナルラジオロジー)を行います。
主な検査内容は心臓カテーテル検査、ペースメーカ植込術、シャント造影検査、下肢動脈検査等の循環器疾患に対する検査や治療、さらに肝臓がんや胆道系閉塞、外傷止血術など胸腹部疾患に対する検査や治療を多岐に渡って行います。
マンモグラフィ撮影
乳腺を専用の装置で撮影します。
マンモグラフィ検診精度管理中央委員会の講習会を受講した医師・技師の指導の元、撮影を行っております。乳房圧迫の際は声をかけながら無理のないよう行っておりますが、痛くて我慢ができない時は無理をせず担当技師にお知らせください。
撮影時に不明な点や不安なことがありましたら、お気軽にお尋ねください。
骨密度検査
当院の骨密度検査は、X線を使用して腰椎や大腿骨頚部のカルシウムなどのミネラル量を測定します。測定結果は年齢別の平均値とともに表示され、過去の検査結果とも比較可能です。検査中は15秒ほど息を止めていただく必要があります。
放射線治療
当院の放射線治療法は、2020年の秋より運用を開始しました。この導入により、丹後医療圏において、がんに対する三大療法(手術療法、化学療法、放射線療法)がすべて行える環境が整いました。当院の放射線治療装置は、体の外から放射線で治療する方法を用います(外照射)。この装置は画像誘導放射線照射(IGRT)や強度変調放射線症照射(IMRT)の技術を有し(※現在、IMRTによる放射線治療は実施していません)、皮膚や正常組織に対して放射線の影響を減らしながらがんを根治させる照射やがんによる痛みを緩和する照射ができます。がん治療の手段のひとつとして、患者の皆さんの手助けになればと思います。
PET-CT検査
PET-CT検査とは「悪性腫瘍が正常細胞に比べて3~8倍のブドウ糖を取り込む」という性質を利用し、ブドウ糖に類似した動きをする微量の放射線を放出する薬剤(FDG)を静脈注射して検査します。PET検査では薬剤の分布を画像化し、同時に行うCT画像を重ね合わせることで、悪性腫瘍の拡がりや再発、治療効果をより詳しく見ることができます。